総ビリルビンとは 間接ビリルビン 直接ビリルビン LAP 黄疸 ジルベール症候群とは

ALPとともに変動しやすい検査

 γ-GT 肝細胞内にあって解毒や代謝に関わる酵素です(36頁参照)。
 LAP leucine aminopeptidase の略で,ペプチド(蛋白質を細かくしたもの)のアミノ酸を一つずつ切り離してゆく酵素です。この酵素の存在場所は,γ-GT とほぼ同じであり,上昇する状況もほぼ同じです。LAP は胎盤にも存在しますので,妊娠末期の胎盤機能の指標としても使えます。
 ビリルビン ビリルビンの大部分は,赤血球中のヘモグロビンの代謝によりできたもので,胆汁の成分として排泄されます。間接ビリルビンと直接ビリルビンがあり,両者を併せて総ビリルビンと呼びます。赤血球が壊される溶血が起こると,間接ビリルビンが増え,肝臓の異常や,胆石等による胆道閉塞で胆汁の排泄が十分に行えないと,直接ビリルビンが上昇します。いずれのビリルビンも,ある程度以上上昇すると,体や結膜が黄色くなり黄疸となります。日本人の5%は,体質的に軽度の間接ビリルビンの上昇を認めるジルベール症候群ですが,症状もなく治療も必要もありません。

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