リパーゼとは 膵嚢胞 総胆管結石 腸閉塞 腹膜炎 膵臓の検査
アミラーゼの上昇する疾患
急性膵炎では,多くの膵臓の細胞が壊れるため最も強く上昇します。その他,膵臓癌・十二指腸癌・膵嚢胞・総胆管結石・腸閉塞・腹膜炎でも上昇することがあります。慢性膵炎の場合も上昇することがありますが,膵臓の細胞が損傷を受け続けると,アミラーゼを作ることができなくなり,逆に低下してしまう場合もあります。急性膵炎の診断で注意しなければいけないのは,アミラーゼが上昇しない場合があるということです。アミラーゼは腎臓より比較的早く排泄されるため,採血のタイミングによっては,血中からアミラーゼが消失したあとの検査になってしまうためです。これに対し,尿中のアミラーゼは発症直後より上昇し,2週間ほど高値が持続するため,結果が採尿の日に左右されにくく,急性膵炎の診断に有用です。但し,尿が濃縮されると見かけ上アミラーゼが高値となるため,判定には注意が必要です。リパーゼという膵臓の酵素は,アミラーゼより異常値の持続時間が長く,血液中のアミラーゼと同時に測定すると,診断率を上げることができます。また,アミラーゼの上昇の程度と,急性膵炎の重症度は関連しないことが知られており,上昇の程度が軽くても安心はできません(重症度は,臨床症状に加え,Ca・LD・血小板数・腎機能等種々の因子を見て総合的に判断します)。
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