脳の検査 動静脈瘻とは 神経細胞 灰白質 神経線維 白質

頭の中の病気の見つけ方

 頭は,頭蓋骨という硬い骨で覆われており,お腹のように外から押したりさわったりしても,中のことは何もわかりません。また,音も出てこないので,胸のように聴診器をあてても何もわかりません(動脈と静脈がつながった動静脈瘻という病気は雑音でわかりますが,例外的な病気です)。そこで最初は,X線で頭の写真をとることを考えました。しかし脳はX線をよく通しますので,あまりよくわかりません。そこで,造影剤を入れたり空気を入れたりしてコントラストをつけて見る工夫をしました。病気によっては,それでわかるものもありますが,診断能力は低いと言わざるを得ませんでした。そこで登場したのが,CT スキャンでした。頭の中の構造物が本当に見えるようになったのですから,これは驚きでした。しかも,神経細胞のある灰白質と,神経線維の走っている白質まで区別できるのです。しかし,結局はX線を通しやすいか通しにくいかの区別のみで見ているため,X線の透過性に差がないものを判別することはできず,画期的な進歩とはいえ,十分ではありませんでした。そして,真打ちとして登場したのが MRI で,いろいろな方法で体内の画像を出してくれるのです。

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