脳腫瘍 血腫 基底核 パーキンソン病とは 脳脊髄液 下垂体 尿崩症
頭の中はどうなってるの
さて,頭の中はどうなっているのでしょう。頭の一番外側は,皮膚があり,その下に(内側に)骨があります。骨の内側には,硬膜という膜があります。硬膜の下にはくも膜があり,そのまた下には軟膜があり脳を直接覆っています。頭の怪我をした時,硬膜の外側に血が出れば硬膜外血腫,硬膜の内側に血が出れば硬膜下血腫です。良性の脳腫瘍で最も多い髄膜腫は,硬膜が腫瘍化して大きくなったものです。また,動脈瘤が破裂すると通常くも膜の部分に血がたまりますので,くも膜下出血となります。さて,いよいよその内側の脳のお話です。脳の一番外側は,灰白質と言って,脳神経細胞が存在します。神経細胞のおもり役のグリア細胞というのも同居しています。脳腫瘍の中で多い神経膠腫は,このグリア細胞が腫瘍化したものです。灰白質の内側は白質といって,神経線維の走っている部分です。この白質が脳の中で最も大きな容量を占めています。更に内側の中心に近い部分には,視床・基底核という神経細胞の集まりがあります。視床は主に感覚を感知する細胞の集まりであり,基底核は運動を調整する細胞の集まりです。基底核の病気としてはパーキンソン病がよく知られており,手か震えたり,歩き方がぎこちなくなったりします。脳の中心部には脳室という部屋があり,中には脳脊髄液という水が入っています。水頭症というのは,この脳脊髄液が増えて,脳室が大きくなる病気です。この,脳脊髄液の入った腔は,腰のあたりまで続いており,腰に針を刺すことによって,脳脊髄液を採取することができます。髄膜炎のような感染症では,脳脊髄液をとって病原体を調べます。脳の直下には,下垂体というホルモンを出す小さな臓器がぶら下がっています。たとえば,この中の細胞が腫瘍化して成長ホルモンを出し過ぎると巨人症になり,尿の出方を調節している細胞が障害を受けると尿崩症といって,一日に10l
以上尿が出る事態となります。大脳の後ろ側には,小脳があり,運動の調節をしています。
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