家庭血圧とは オシロメトリック法 カフオシロメトリック法

家庭血圧測定

 最近は,家庭での血圧測定が重視されるようになってきました。診療所での測定はせいぜい月に2回程度であり,変動しやすい血圧を評価するには,回数が絶対的に不足しています。また,診察室というのは特殊な環境であり,精神的に必ずしも平常状態とはいえません。その点,家庭血圧は毎日測ることができ,かつ一日の内で何度でも測ることもできます。また,リラックスして測れますので,ある意味では本当の血圧を知ることができると言えます。家庭血圧計の大部分は,脈拍を感知して血圧を測定するオシロメトリック法で測定しています。診療所でのコロトコフ法の血圧測定とは原理が全く違いますが,両者の値はほぼ等しいことがわかっていますので,問題となることはありません。心臓に近い血管で測るほど血圧を正確に測定することができますので,腕にマンシェットを巻いて測定する血圧計が推奨されます。手首や指先で測る血圧計は正確さで劣ります。
 家庭で血圧を測定する際は,椅子に座り,腕は胸の高さでテーブルにのせて,1〜2分の安静後測定します。標準的な測定時間は,朝は起床後の排尿をすませたあと,かつ朝食をとるまでの時間と言われています。夜は寝る前に測るのが一般的ですが,入浴の直後は避けて下さい。コーヒーや喫煙は血圧を上昇させることがありますので,測定直前は避けて下さい。また,アルコールは飲んだ直後は血圧が下がることがあります。家庭血圧では,135/85mmHg 以上を高血圧とし,125/80mmHg 未満を正常血圧としています。
 血圧は,測るたびに変動します。何回も測ると,最初が最も高くだんだん下がってくる傾向があり,手帳に血圧をつけている人は,どれを記入したらよいか迷うところです。どの測定値を記入するかは,特に規定はありません。主治医の判断に任されることが多く,測定値全てを記入するように指導する場合や,最初の値のみ記入するように指導する場合等様々です。血圧は興奮,運動,気温の変化などいろいろな条件で変動します。一つ一つの数値にこだわるより,平均的に高いか低いか,上昇傾向か下降傾向か等を判断しましょう。朝と夜の比較も重要で,薬を服用する時間を決定する参考になります。

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