高血圧の治療 24時間自由行動下血圧測定とは カルシウム拮抗剤 アンジオテンシン
高血圧の治療
高血圧の治療には,生活療法と薬物療法があります。
生活療法の中で最も重要なのが塩分制限で,一日6g の塩分制限が日本では勧められます。肥満は高血圧を助長しますので,肥満のある人は減量が必要です。そのためには,カロリー制限・脂肪制限等の食事療法が必要です。運動を行うと筋肉の萎縮を防ぎながら減量できるので効果的です。節酒も重要で,アルコールで一日20〜30ml 以下(日本酒1合以下,ビール大ビン1本以下)が望ましいとされています。但し,女性は10〜20ml 以下とされています。
歩行等の軽度の有酸素運動が血圧を下げるのに有用です。但し,運動中は血圧が上がるので,心血管合併症がある人は,主治医とよく相談してから行って下さい。重いものを持ち上げたり,息をこらえたりする運動は血圧が著明に上昇するため,高血圧の人にはお勧めできません。
血圧を下げる薬物は,様々なものが開発され,多くの大規模臨床試験にて有用性が実証されています。現在主流となっているのはカルシウム拮抗剤と言われる薬剤群と,アンジオテンシンというホルモンの働きを抑える薬剤群です。一般に前者は,降圧の確実性において優れ,後者は血圧を下げる作用以外の副効用に期待が持たれています。しかし,いずれの群も多くの薬剤が存在し,この表現が適当でない場合もあります。どちらの群の薬剤がより優れているかは結論は出ておらず,患者さんの状況によって,適した方を選択します。両者を併用することや,他種の系統の薬剤を使用することもあります。降圧目標値は,高齢者では
140/90mmHg,若年・中年者では 130/85mmHg となっていますが,糖尿病や腎臓病の方はより厳しく 130/80mmHg とされています。
最近は,24時間自由行動下血圧測定も時に行われるようになり,早朝高血圧や夜間高血圧という病態があることがわかってきました。そのような方は,様々な合併症をひき起こしやすいため,夜間にも十分降圧効果が得られる薬剤や投与時間を選ぶことが大切です。
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