糖尿病の診断基準 空腹時血糖 随時血糖 正常型 境界型 糖尿病型とは

糖尿病の診断基準

 空腹時血糖が110mg/dl以下でかつ糖負荷試験の2時間値が140mg/dl以下の場合を正常型と言います。空腹時血糖が126mg/dl以上もしくは,糖負荷試験の2時間値が200mg/dl以上または随時血糖値が200mg/dlのいずれかを示す場合糖尿病型と言います。正常型でも糖尿病型でもない人は,境界型と区分されます。糖尿病型の値が別の日の検査でもみられる時に,糖尿病と診断します。つまり,糖尿病型が,2回確認されると糖尿病と診断するということです。例外として,糖尿病の典型的な症状を認める時,HbA1c が6.5%以上の時,確実な糖尿病性網膜症(後述)を認める時は,1回の糖尿病型の確認でも糖尿病と診断します。なお,糖尿病の典型的症状とは,口渇・多飲・多尿・体重減少等です。日本では,空腹時血糖は110mg/dl以下が正常と規定されていますが,米国では100mg/dl以下を正常値としています。前述のように,空腹時血糖が低くても食後高血糖を示す人が多く,少しでもその可能性の高い人をつかまえるためです。将来日本も同様の基準に改定される可能性があります。
 糖尿病という病名は,糖を含んだ尿が出るという意味ですが,尿糖の有無は診断基準には含まれません。一般に血糖値が170mg/dl前後を超えると,尿から糖が漏れてくることが多いですが,人によってもれ出す血糖値がまちまちなので,診断基準には含まれないのです。しかし,健康診断では糖尿病を発見するきっかけになり,糖尿病の人にとっては高血糖であるかどうかの簡便な指標になりますので,尿糖の有無を調べることも重要です。

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