CRPとは C反応性蛋白 肺炎球菌 C多糖体 炎症性サイトカイン 超高感度測定法 赤血球沈降速度 赤沈

CRP

CRP は,炎症や組織崩壊がある時血液中に増加する蛋白質です。
 CRP は C-reactive-protein(C反応性蛋白)の略で,肺炎球菌のC多糖体と反応する蛋白質として見つけられたのでこのように名づけられました。
 炎症の状態を知る検査には白血球数・赤血球沈降速度(赤沈)・血清蛋白分画・CRP などがあります。以前は赤沈が多用されましたが,貧血など他の原因でも亢進するため,現在は CRP が主流となっています。CRP は炎症が生じると半日程で上昇し2〜3日でピークとなります。白血球より上昇が遅く,例えば急性虫垂炎では早期には上昇を認めないことがあります。定量検査では,基準値は0.3mg/dl以下です。定性検査では,結果を+と−で表し,−が正常です。しかし定性検査とはいえ,(−,±,+,2+,3+,4+,5+,6+)の段階をつけていますので,半定量検査とも呼ばれます。
 組織がダメージを受けると,リンパ球や単球,マクロファージから,炎症性サイトカインと呼ばれる物質が放出され,肝細胞がそれらのサイトカインに刺激されて CRP を合成します。病気により CRP の上昇の割合がことなり,細菌性,真菌性の感染の場合には高値になりますが,ウイルス感染の場合には,あまり上昇しません。心筋梗塞では高値となりますが,脳梗塞ではあまり上昇しません。関節リウマチでは高値となりますが,SLE ではあまり上昇しません。CRP は体の異常を見つける簡便な検査として有用ですが,疾患特異性がないため,CRP の上昇だけで病気を特定することはできません。
 最近 CRP の超高感度測定法が開発され,0.1mg以下の感度で測定出来るようになりました。動脈硬化には,炎症が関与しており,動脈硬化が強い人は,高感度 CRP の値が上昇します。今後,心筋梗塞・脳梗塞・閉塞性動脈硬化症などの予測因子として活用される可能性があります。

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