洞結節 房室結節 副伝導路 バイパス 電解質異常 QT延長とは
心電図の波形と病気(難しいので,読み飛ばしてもかまいません)
P波は心房の電気的興奮を示します。幅や振幅(高さ)が正常値を超えている場合,左右の心房の負担を疑い,形の異常があれば洞結節以外からの電気刺激が疑われます。
PQ の間の長さは洞結節から房室結節への電気刺激の伝わる速さを示し,正常値を超えたり,この間隔が一定でなかったりすると,伝導経路に障害があることが疑われます。正常値より短い場合は,心房と心室の間に房室結節を通らない副伝導路(バイパス)があることが疑われます。
QRS波からは左右の心室への電気刺激の伝わり方がわかります。心室への伝導経路が障害されると,QRS の幅が広くなってきます。特殊な波形が出る場合,不整脈の原因となる右室の心筋症がわかる場合もあります。また,振幅より心筋の電流の大きさがわかります。振幅が大きい場合,心筋の肥大や心室の拡張が疑われ,振幅の小さい場合,心筋の障害や皮膚の電極までの距離が遠い(心しん嚢のう液がたまっている,脂肪が多い)などが考えられます。
S波の終わりからT波までは心室が収縮している期間です。この部分の波形の異常は心筋の障害を疑います。ST 部分の低下や上昇は,狭心症や心筋梗塞などが疑われます。また,T波の低下や増高,下向きになるなども心筋の障害を疑います。U波も心筋障害の原因の推測に役立ちます。薬剤や電解質異常による障害もT波や
QT 時間で推測できる場合があります。QT 時間が延長すると心室性不整脈を起こしやすくなる傾向があります。
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