γ-GTPとは 急性アルコール性肝炎 閉塞性黄疸 肝内胆汁うっ帯 羊水 r-GTP

γ-GT(γ-GTP)とは

 肝細胞は,門脈や肝動脈から得た様々な物質を代謝し,一部を胆汁中に放出します。γ-GT は,解毒や代謝に関わる酵素で,γ-GTP とも呼ばれます。γ-GT は,γ-glutamyl transpeptidase もしくはγ-glutamyl transferase の略称です。肝細胞膜の胆汁分泌側および肝細胞内にあって様々な化学反応を行うミクロソーム上に存在します。男性が女性より高値の傾向があり,正常値(基準値)は,男性80IU/l 以下,女性30IU/l 以下となります。
食事を摂ると減少しますので,空腹での採血が原則です。
 様々な病態で,この酵素が上昇しますが,代表的なものは,細胞破壊による酵素の逸脱・胆汁うっ滞・酵素の誘導・酵素の産生です。酵素の逸脱の場合は,AST(GOT)やALT(GPT)の上昇を伴い,胆汁うっ滞の場合は ALP や LAP と言われる酵素やビリルビンという胆汁の成分の上昇を伴います。酵素の誘導の最も多い原因はアルコールです。肝臓癌の中には,γ-GT を産生するものもあり,時に高値となります。疾患によっては,複数の原因が重なってγ-GT が上昇していることもあります。
 上昇の程度で分類しますと,最も強く上昇するのが,急性アルコール性肝炎や閉塞性黄疸・肝内胆汁うっ帯などで,500IU/l 以上にもなることがあります。軽度から中等度に上昇するのがアルコール性肝障害や薬物性肝障害・慢性活動性肝炎。上昇することがあるのが,非アルコール性脂肪肝・肝硬変・肝臓癌などです。
 肝胆道系以外では,腎にもγ-GT が存在して,尿中に排泄されるため,妊娠時に羊水中のγ-GT から胎児の発育異常を知ることができると言われています。

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