前立腺肥大症とは 急性前立腺炎 直腸指診 前立腺生検 抗男性ホルモン薬 フィナステリド

PSA 値に影響を与えるもの

 前立腺癌以外でも,PSA が上昇することがあります。前立腺肥大症・急性前立腺炎など前立腺の良性疾患でも上昇します。肛門から指を入れて,直腸壁越しに前立腺を触って大きさや性状をチェックする診察(直腸指診)をするだけでも多少 PSA が上昇します。前述の前立腺生検でも上昇するので,PSA 検査は生検6週以降が望ましいと言われています。射精直後にも上昇しますが,48時間後にはほとんどの男性でもとに戻ります。
 前立腺肥大症の治療に抗男性ホルモン薬を使うことがあり,服用すると PSA 値は低下します。そのため,同薬を使用する際には,服用開始前に PSA をチェックしておくことが勧められています。最近,男性型脱毛症の治療薬としてフィナステリドが発売されました。この薬は元々前立腺肥大症の治療薬として開発され,海外では既に同目的で使用されています。フィナステリドを服用すると,PSA 値は約50%程度低下しますので,内服中に前立腺癌診断の目的で PSA を測定する場合は,2倍した値を目安として評価しなければいけません。
 前立腺癌の心配な方は,時に毎年 PSA 検査を希望されますが,1ng/ml 以下であれば,前立腺癌の性質より次回の検査は3年後で十分と言われています。

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