慢性膵炎とは 自己免疫性膵炎 膵嚢胞性腫瘍

膵臓のエコー

 膵臓は,胃の背側にあるため,胃の中の空気のために見にくくなることがあります。その場合,患者さんに座ってもらう,水をのんでもらって検査するなど工夫が必要になります。
 急性膵炎は,アルコール,胆石などが原因となって炎症が起こる疾患です。強いみぞおちの痛みがあります。腹部エコーでは,膵臓が腫大してみえます。
 慢性膵炎はその原因の半分以上がアルコール性で,3合以上お酒を飲む方は注意が必要です。腹部エコーでは,結石や膵管の拡張がみられます。最近,自己免疫性膵炎という病気が発見されました。この疾患は,通常の膵炎とは逆に,膵管が全体に狭小化するのが特徴です。
 膵臓癌は早期発見が最も難しい癌の一つです。腹部エコーでは膵臓に低エコーの球形腫瘤として見えるのが一般的です。疑われた場合は,ダイナミック CT による検査を行います。同検査では,膵臓癌は肝臓癌と逆に,血流が少ない腫瘍として描出されるのが特徴です。
 膵嚢胞性腫瘍という,液体がたまる腫瘤があります。粘液性のものや,さらさらした液体のもの,いくつかの腔に分かれているものなど様々です。その中には,悪性のものもあるので,要注意です。

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