多能性造血幹細胞 骨髄芽球 前骨髄球 骨髄球 後骨髄球 桿状核球 分葉核球 髄外造血とは

血液はどこで造られるの

 白血球・赤血球・血小板は,全て骨髄で造られます。これらの元になる細胞は骨髄中の多能性造血幹細胞です。まず最初に,多能性造血幹細胞が,骨髄系幹細胞とリンパ系幹細胞に分化します。このうち骨髄系幹細胞が,好中球・単球・好酸球・好塩基球の出発点となる各々の前駆細胞に分化し,増殖成熟過程を経てそれぞれの成熟した細胞の集団が形成されます。また,リンパ系幹細胞からはT細胞やB細胞などのすべてのリンパ系の成熟細胞が造られます。骨髄系幹細胞由来のすべての細胞とリンパ系のB細胞と NK 細胞の分化増殖成熟の場所は骨髄ですが,T細胞だけはその前駆細胞が骨髄から主に胸腺に移動し,分化成熟します。好中球を例にとりますと,骨髄標本で分類可能な一番未熟な細胞が骨髄芽球で,骨髄芽球→前骨髄球→骨髄球→後骨髄球→桿状核球→分葉核球という順序で骨髄で成熟します。桿状核球と分葉核球は骨髄から末梢血液中に出ることができます。骨髄での成熟には約7〜14日間が必要で末梢血液中に出てきてからは,約半日ほどで組織の中に入っていきます。組織に入ってからの好中球の寿命は2〜3日です。
 なお,最初に血球は全て骨髄で造られますと述べましたが,病的な状態では髄外造血といって,脾臓や肝臓でリンパ球以外の血球が造られることがあります。慢性骨髄性白血病や骨髄線維症にみられ,脾臓や肝臓が腫大し,幼若な血球が末梢血に出てくることが特徴です。

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