聴診 鼓動 心雑音とは 肺胞呼吸音 気管支呼吸音 蠕動音

聴診

 聴診は,聴診器という集音器を使って,体の中の音を聞く診察手技です。心臓の鼓動の音・肺の呼吸音・胃腸の蠕動音等を聴くことができ,強度・質・持続時間・頻度等の音の様々な性質を評価します。
 心臓の音は胸の中央および少し左右に離れた部位で聴きます。心臓の音は種々の音の集合体であり,心臓が収縮し始める時に出るT音と,拡張し始める時に出るU音,及びその間に出る様々な雑音があります。これらの音の発生には,心臓内の血液を一方向に流れるように制御している弁が関与します。弁の開き具合が悪い時は,狭窄症となり,狭いところを無理に血液が出て行こうとして雑音が生じます。逆に弁がきっちりと閉まらない閉鎖不全では,血液が逆流して雑音が出ます。これらの音は弁によって聴取する部位が決まっており,強く聞こえる場所から異常の部位を推測します。
 呼吸音には胸全体で聞こえる細い気道より発生する肺胞呼吸音と,胸の中央に近い部位で聞こえる太い気道より発生する気管支呼吸音があります。気管支喘息で気管が狭くなったり,肺炎等による炎症で気道に痰が詰まったりすると,独特の異常音を聴くことができ,病気を診断することができます。
 腸の蠕動運動の時に発生する腸音は,腹全体に広がるため聴取する部位はあまり重要視されません。その頻度と強さ及び性状が問題となります。腸閉塞がどうかというのは,医師が最も注意する点です。
 聴診のもう一つの大きな仕事は,血圧を測る時に,血管の雑音を聞くことです。マンシェットという空気で膨れる布を巻いて空気を送り込み,圧力で血流を遮断した状態から徐々に空気圧をゆるめ血流を再開してゆき,音が聞こえ始める点が最高血圧,音が再び聞こえなくなる点が最低血圧です。
 視力検査は,その名の通り見る能力を判定する検査です。学校や健康診断等でおなじみのCという字に似た図形を認識したりひらがなを読んだりする検査もその一つです。眼科での実際の診療の場では,もう少し精密に視力の検査を行います。まずオートレフラクトメーターという検査機器で,その人の屈折力,即ち正視か近視か遠視かとどれ位の乱視があるかを測定します。その上で,遠見裸眼視力そしてレンズを入れて矯正視力を,場合によっては近見視力を測定します。各々について順にみていきましょう。

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