眼底検査とは 加齢黄斑変性 飛蚊症とは 網膜剥離 視神経乳頭 緑内障とは
眼底検査とは何ですか
通常,人の血管を直接見て観察することはできません。ところが,網膜の血管だけは例外で,水晶体を通して見ることができます。眼底検査は,この網膜を見る検査で,網膜上の血管を見ることにより動脈硬化の進み具合や,糖尿病による血管の障害の程度を知ることができます。また,水晶体・硝子体といった透光体を通して,カメラのフィルムにあたる網膜を観察できるので,視力に係わる様々な病気を見つけることができます。
眼底検査では,まず血管の状態を調べます。血管からの出血の有無,動脈と静脈の太さの比較,血管壁の反射光の具合等により,動脈硬化や高血圧の程度を判断します。
次に,視細胞の集まりである網膜自体を診ます。網膜の中心にあり,視細胞が最も集まった一番大切な場所を黄斑と言います。近年高齢化と共に増加してきた加齢黄斑変性という病気や食物の欧米化により増加している糖尿病の合併症である網膜症は,この黄斑が障害され視力低下をきたします。加齢黄斑変性では,黄斑に出血したり,老廃物がたまる様子が観察できます。
飛蚊症ひぶんしょうなどでは,網膜に裂け目ができて網膜剥離を発症していることがありますが,網膜の隅々まで調べて,この裂け目がないか検査します。
網膜上で光を感じるのは視細胞ですが,視細胞と脳細胞をつなぐ働きをしているのが神経細胞です。神経細胞から脳細胞に刺激を伝えるのが神経線維ですが,これが束になって眼から出て行くところが視神経乳頭です。日本人の40才以上の17人に1人は緑内障があると言われていますが,緑内障があると視神経乳頭が白くなり,中央部が陥凹してきます。この視神経乳頭の観察は,緑内障の早期発見に大変重要です。視神経乳頭を見ることで,頭の中の圧力の上昇を知ることができ,脳腫瘍の発見につながることがあります。
血管,網膜自体,視神経の状態を調べるのが眼底検査の主たる部分です。
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