スタチンとは フィブラート EPA 胆汁酸吸収阻害剤 コレステロール吸収阻害剤

薬による治療

 高脂血症の薬には,様々な種類があり,それぞれに特徴があります。
 スタチン コレステロールは主に肝臓で作られます。その製造過程の酵素の一つを阻害することにより,コレステロールが合成されることを抑えます。コレステロールの製造が減ると,血液への供給が減るだけでなく,肝臓内の減少したコレステロールを補うため,血液中のコレステロールが肝臓に戻され,更にコレステロール値が下がります。中性脂肪を下げる作用も若干あります。この薬で注目されている点は,コレステロールを下げる以外にも多くの副効用があり,動脈硬化を更に防ぐという期待が持たれている点です。また,骨粗鬆症や認知症にも有用な可能性が期待されています。副作用として横紋筋融解症があり,筋肉が痛み,尿が暗赤色になります。更に進むと腎不全になることもあります。極めてまれにしか起こらない副作用ですが,スタチンを服用されている方は念のために,服薬開始数週間後とその後の数ヵ月ごとの血液検査をして,安全に治療をした方がよいでしょう。患者さん自身が,尿の色が暗赤色にならないかチェックすることも有用です。
 フィブラート 主に,中性脂肪を下げる薬です。動脈硬化を起こしやすいレムナントを下げる作用が強く,また軽度ながら糖尿病を改善する作用もあり,有用な薬です。スタチンと同じく,極めてまれながら横紋筋融解症を起こすことがあり,同様の検査や注意が必要です。
 EPA 脂質改善作用の他に,動脈硬化に関連ある血小板の作用を抑えます。
 その他 コレステロールの元になる胆汁酸の消化管よりの吸収を抑える薬剤があり,更にコレステロールそのものの吸収を抑える薬剤も近日使えるようになりそうです。

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